G20、欧州経済悪化への対応求める声相次ぐ |
[ワシントン 10日 ロイター]- 米ワシントンで開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は10日閉幕した。会議では欧州経済の悪化が焦点となり、各国からは景気後退(リセッション)回避に向け、当局に対応を求める声が相次いだ。
欧州経済をめぐっては、最大のけん引国であるドイツの減速ぶりが鮮明になっている。今週発表された8月の貿易統計によると、輸出は前月比5.8%減と2009年1月以来の大幅な落ち込みとなった。同じく今週発表された鉱工業受注や鉱工業生産でも大幅な減少がみられ、一部ではドイツが景気後退(リセッション)に陥るのではないかとも懸念されている。
IMFは今週発表した「世界経済見通し」のなかで、ユーロ圏が今後1年間でデフレに陥る確率を30%、景気後退となる可能性は40%との予想を示した。
こうしたなか、欧州の当局者はこうした懸念の払しょくに追われた。
ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のダイセルブルーム議長はロイターに対し、今後開かれるユーロ圏会合で、域内の成長を後押しするための新たな戦略を提案する考えを表明。具体的には、金融政策、財政政策、構造改革、投資計画の4分野において、各政策の連携強化を求めるとした。
オズボーン英財務相は記者団に対し、「足元、英国経済はもちろん世界経済にとっても最大のリスクは、ユーロ圏経済が景気後退(リセッション)に陥り、危機に逆戻りすることだ」と話した。
一方、ドイツのショイブレ財務相は、欧州にとって必要なことは経済改革であって「小切手を切る」ことではないとの立場を繰り返し表明した。
・・・ 2014年 10月 11日 ロイター 12:33 JST 配信より