JA全農、肥料1万トン回収 仕入れ業者が原料表示偽装 |
全国農業協同組合連合会(JA全農)は5日、秋田市の業者から仕入れ、青森、岩手など東日本の11県で販売した肥料約1万トンを回収すると発表した。有機原料の配合割合などの表示を偽装していたことが判明したため。この肥料を使用して栽培した農産物の安全性に問題はないという。
業者は秋田市の「太平物産」。茨城など同社の国内4工場で製造する783銘柄全ての肥料の出荷を停止し、回収を始めた。4工場の工場長が遅くても昨年4月から、肥料を製造しやすくするといった理由で、チラシや肥料袋の記載とは異なる製造を指示していた。
太平物産の肥料を使用して栽培した農産物を「有機農産物」などと表示して販売した場合は、国のガイドラインや規格に適合しない恐れがある。このため、JA全農は通常の農産物として出荷、販売するよう生産者らに呼び掛けている。太平物産の約9割の銘柄で、有機原料の配合割合の偽装や記載以外の原料の使用などがあることが分かった。 ・・・ 2015.11.5 産経新聞 21:05 配信より
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秋田・肥料成分偽装 社長が会見「10年以上前から全工場でやっていた」
秋田市の肥料メーカー、太平物産が有機肥料の成分表示を偽装していた問題で、同社の佐々木勝美社長が9日、市内のホテルで問題発覚後初めて記者会見し、「偽装は少なくとも10年以上前から全工場で行われていた」と説明した。理由については「現場がコスト削減のためにやったと推測される」とし、自らを含む歴代社長の指示や関与は否定した。
また、7日から9日にかけて、農林水産省が肥料取締法に基づいて秋田工場(秋田市)、青森工場(青森市)、関東工場(茨城県阿見町)、渋川工場(群馬県渋川市)を立ち入り検査したと明らかにした。6日には伊藤茂美常務が秋田県警に出頭し、事情を聴かれたという。県警は不正競争防止法違反(虚偽表示)にあたる可能性もあるとみて捜査する。
佐々木社長は「組織ぐるみととられても仕方ない」としながらも、「成分表示の偽装を含んだ製造指示書が前任者から代々引き継がれていた」と繰り返し、いつ、どのような経緯で始まったかは分からないとした。
問題の肥料は全国農業協同組合連合会(JA全農)を通じ東北や関東の11県で販売。この肥料を使用して栽培した農産物を「有機農産物」「特別栽培農産物」と表示して販売した場合は虚偽表示になる恐れがあるなど、大きな影響が出ている。中には、有機成分が約5割含まれるはずが、2割程度しかなく、不足分に化学肥料を充てていたものもあった。
佐々木社長は「生産者やJA全農の信頼を裏切り、有機農産物、特別栽培農産物への消費者の皆さまの信頼を損なう原因となり、大変大きな責任を感じている」と陳謝。農水省の処分が決まった後、引責辞任する考えを示した。
工場関係者が偽装を続けていたことについて「有機農産物、特別栽培農産物への無知があった」と語った。 ・・・ 平成27年11月11月9日(月)、産経新聞 13時34分配信より
私のコメント: 問題の肥料は全国農業協同組合連合会(JA全農)を通じ東北や関東の11県で販売。この肥料を使用して栽培した農産物を「有機農産物」「特別栽培農産物」と表示して販売した場合は、虚偽表示になる恐れがあるなど、大きな影響が出ている。肥料は、永年、その土地に、施されているため、その土地で、該当している「有機農産物」、「特別栽培農産物」においては、日本食における安全保障の問題にもつながる。