南陽工、堂々の入場 スタンドの保護者らも感激 /山口 |
<センバツ甲子園>
第88回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)が20日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕した。7年ぶり5回目出場の南陽工ナインは開会式で堂々と入場行進し、観客席から大きな拍手を受けた。センバツ旗を手にした山崎大輔主将(3年)は「鳥肌が立つほど緊張したが、日本一の行進ができた。もう一度同じ歓声を聞けるよう初戦で勝ちたい」と奮い立った。【土田暁彦】
南陽工ナインは、プラカードを手にした記録員の藤井誠己(まさき)さん(3年)を先頭に、創志学園(岡山)に続き出場32校中24番目で登場。ナインの後ろから2番目に並んだ仲野凜平選手(3年)が、「よし行くぞ、せーの」と呼び掛け、選手たちは「イチ、イチ、イチニー」と球場に大声を響かせ、笑顔で大観衆の前を行進した。
スタンドではナインの保護者らが見守り、野球部父母の会会長の佐藤哲二さん(51)は「選手は堂々として、声もしっかり聞こえた。憧れの聖地で思いっ切りプレーしてほしい」と目を赤くした。
ナインは式後、外野席から開幕試合を観戦。大会第4日第2試合(23日午前11時半開始予定)で市和歌山との初戦を迎える。
「19番目の選手」の誇り記録員藤井誠己さん(3年)
プラカードを手に行進した記録員、藤井誠己さん(3年)。ベンチに入り、監督のそばで一球一球を書き留めるスコアラーだ。甲子園の芝を踏みしめて、藤井さんは「19番目の選手という気持ちで試合に挑みたい」と意気込んだ。
エース重冨将希投手(3年)と同じ下松市立末武中学出身。「重冨がいるなら甲子園に行ける」と南陽工に一緒に進学し、外野手としてレギュラーを目指した。しかし、2月のメンバー発表では18人の登録選手ではなく、記録員としてのベンチ入りを、山崎康浩監督から告げられた。家に帰っても、すぐには母優(ゆうこ)さん(42)に伝えられず、自分の部屋に1人籠もって「大泣きした」。
記録員の経験はなかった。「19番目の選手」と、気持ちを切り替えることができたのは、スコアラーの重要さに気付いたからだ。帰宅後、毎日のように昨秋の公式戦の動画を見てスコアを付け、監督に指導を仰いだ。3月の練習試合から本格的にスコアを記録するうちに、相手チームの配球の組み立て方に気付き、仲間が内角球に差し込まれたり、外角球に泳がされていると、打撃フォームを修正するようアドバイスを送れるようになった。
「いつも笑顔の彼がベンチにいると選手がホッとする。誰も気付かないところに目を向けるようになってほしい」と山崎監督。藤井さんは「甲子園は歓声が大きいけど、負けないぐらい大声で指示を出したい」と目を輝かせた。【土田暁彦】 〔山口版〕
・・・ 平成28年3月21日(月)、毎日新聞 地方版より
私のコメント: 山口県高校野球連盟の関係者 皆様や山口県高校野球連盟 会長へ、皆様からの温かいご声援も、なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。