第94回全国高校野球:松阪、初陣飾れず 一時逆転も力尽き 健闘たたえ大きな拍手 /三重 |
▽2回戦
倉敷商 100100060=8
松阪 000030000=3
雨で延期されて迎えた松阪の初陣。「雰囲気にのまれずプレーする」と話していたナインだが一回、内野安打などから、6球で先制を許す。「気にするな!」「まだ一回やから、大丈夫!」。三塁側アルプススタンドの大応援団が後押しする。主戦・竹内諒投手の母孝子さん(43)は「きっとここからは抑えてくれる」と祈るようにマウンドを見つめた。
声援に打線が応えたのは五回。先頭の上東亮介選手(3年)が四球で出塁する。総立ちの応援団からは「さあ、いきましょー!」のコール。犠打と内野安打で1死一、三塁とすると、「集中できていた」という真鍋顕汰選手(3年)が低めのスライダーを振り抜き、打球は中前に抜けて1点。西川一帆主将(3年)のバントで二、三塁。竹内投手の右前安打で2点を追加、試合をひっくり返した。
七回1死満塁のピンチも併殺で切り抜け、初勝利へ期待が膨らんだ。しかし八回、立て続けに飛球が安打となった。「上空では風向きが違う」。外野守備陣が、甲子園特有の浜風にほんろうされる間に、倉敷商のスコアボードに「6」が刻まれた。
九回、代打攻勢も実らず、ゲームセット。念願の甲子園初勝利はならず、応援席からはため息が漏れたが、すぐに健闘をたたえる大きな拍手へと変わった。
◇声張り応援リード
○…三塁側アルプススタンドを応援団が埋め尽くした。コーチの平賀宏尚さん(3年)が太鼓をたたき、声を張り上げて声援をリードした。2年生の秋にコーチに転向。対戦校のデータ分析やノッカーとしてチームを支えた。自らの3年間を、チームの合言葉「愛してるぜ」に託し、メガホンを握った。「野球は9人ではできないことを学んだ。最高の仲間に恵まれ幸せ」
◇母校のPVに卒業生ら30人
松阪市垣鼻町の松阪高2階会議室では、大型モニターを設置して、パブリックビューイング(PV)が行われた。
駆け付けた卒業生ら約30人が拍手と声援を送り、健闘をたたえた。
在学中は生徒会長だった同市春日町、会社員、松本晃冶さん(41)は「家族3人で来ました。逆転劇もあり、選手たちは多くの人に夢を見せてくれました。心からありがとうと言いたい」と話した。【橋本明】
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■熱球譜
◇経験バネにプロ目指す--松阪・竹内諒投手(3年)
五回、1点差に詰め寄ったところで打席が回った。投手を見つめ、甘く入った変化球を振り切った。支えてくれた仲間への感謝を込めた適時打で、試合前にみんなで約束した「3点」を取った。
津市立南が丘中で野球を始めた。3年の秋に松阪の練習を見学し、選手の主体性を重んじる松葉健司監督の方針に共感した。猛勉強の末、入学。松葉監督は「物腰がしっかりしていて、最初から雰囲気が違った。努力家で、チームの柱になると確信していた」と振り返る。
進学校として練習時間が限られる中、最寄り駅の一つ前で降り、家まで約10キロを走った。綱渡りでバランス感覚を磨き、120キロ台だった球速は、145キロを超えるまでになった。県大会では5試合に先発し、47回を投げて5失点の好投。
三重大会から、ナインは「3点先取で竹内を守ろう」と決め、連投のエースを援護し続けた。夢舞台での初陣も、想定通りの展開。「後は自分が抑えるだけ」と、左拳で胸をたたいた。
しかし八回、打者一巡の猛攻を受け一気に6失点。気持ちが切り替えられず、持ち味の粘り強さが出せなかった。そして最後の打者が三振に倒れ、試合は終わった。
初めて見せた涙を浮かべながら「悔しいが、最高の舞台で最高の仲間と野球ができて幸せ。この経験をバネにプロを目指したい」と語った。その目は、しっかりと明日を見つめた。【永野航太】 〔三重版〕 8月16日朝刊 ・・・ 平成24年8月16日(木)、毎日新聞 12時2分配信より
私のコメント : 夏の甲子園大会 初出場の松阪、倉敷商(岡山)と対戦した。今回の試合、振り返り、倉敷商、岡山県高校野球連盟、各野球指導のレベルの高さも実感させられた。

































