豚伝染病PED 東北の養豚場拡大懸念 ワクチン不足も危惧 |
青森県は15日、畜産や飼料などの関係団体を集めて防疫対策会議を開いた。成田博農林水産部長は「生産農場のみならず、県民生活にも影響を及ぼす」と初動対応の徹底を呼び掛けた。
農林水産省などによると、沖縄県で2013年10月、7年ぶりに国内で感染が確認されて以降、16日現在、32道県で発生している。
東北では18日現在、疑いがある事例を含め、青森、岩手で各4件、宮城で1件、秋田で1件、山形で2件、福島で1件が確認された。青森の1件と宮城を除き全て4月中の発生で、死んだ子豚は計2780頭を超える。
農水省や各県は(1)農場出入り口での車両の洗浄・消毒の徹底(2)食肉処理場への搬入経路と時間の区分による農場間の交差汚染リスクの低減(3)適切な排せつ物の処理-などを要請している。
青森県の対策会議では、関係団体が「農場によって管理基準への対応に温度差がある」と指摘。「食肉処理場に運ばれる牛や馬を介して広がる恐れがある」「秋田、岩手から青森の処理場に搬入されることもある」などと心配する声も出た。
対策として、ワクチンを妊娠豚に2回注射することで乳汁を飲んだ子豚の発症を防いだり、症状を軽くしたりできる。ただ、感染拡大でワクチン不足の問題も浮上している。
青森県養豚協会の布施久会長は「ワクチンがなかなか手に入らない。感染が判明した農場は約1カ月間、全く収入が得られなくなる」と訴えた。
PEDは感染力が強く、まん延して豚肉の流通量が減れば価格高騰を招く恐れもあり、畜種や県境を越えた対策の必要性も出てきそうだ。
◎宮城でも感染疑い東北6県に拡大
宮城県は18日、県北の養豚場で、豚流行性下痢の疑いがある子豚と母豚計418頭が見つかったと発表した。県内で症例が確認されたのは初めて。東北6県全てに感染が拡大した。
県畜産課によると、18日午前、養豚場から子豚と母豚に下痢の症状があるとの連絡があった。6頭を仙台家畜保健衛生所が遺伝子検査をした結果、いずれも陽性反応が出た。
養豚場では約1万500頭を飼育している。現段階で死んだ豚はいない。詳細な検査結果は21日に判明する。
[豚流行性下痢(PED)]ウイルスの感染による豚の伝染病。家畜伝染病予防法で「届出伝染病」に指定されている。症状は水様性下痢や嘔吐(おうと)で、10日齢以下の子豚は高率で死ぬが、繁殖豚や肥育豚はほとんどが一過性の下痢で治癒する。人には感染しない。法定伝染病の鳥インフルエンザなどと異なり、殺処分や移動制限といった防疫措置は取られず、発症していない豚はまん延対策を施した上で出荷することができる。 ・・・ 平成26年4月19日(土)、河北新報 6時10分配信より
私のコメント : 豚伝染病PED、東北6県以外の各県 家畜保健衛生所でも、気をつけていかなければいけない。