<日米株高>危うい緩和頼み 債券価格、異例の高止まり |
米株式市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和による潤沢な資金が流れ込んだ結果、連日、市場最高値の更新が続く。3日も6月の米雇用統計が市場予想を大幅に上回ったことから、買いが先行した。「今後も上昇基調が続く」(証券アナリスト)と市場の見方は強気だ。
ただ、米経済の回復ペースは勢いに欠け、1~3月期は寒波の影響もあり、実質経済成長率が2・9%のマイナス。4月以降は反動増が見込まれるが、株価上昇は各国の金融緩和による「カネ余り」によるところが大きい。
事情は日本も同様だ。消費増税の反動減の影響で4~6月期はマイナス成長となる見通しだが、市場環境は堅調。日経平均株価は6月以降、「消費増税の影響が限定的との見方が強まった」(メリルリンチ日本証券の神山直樹チーフストラテジスト)こともあり、じりじりと上昇している。4日の終値は前日比88円84銭高の1万5437円13銭をつけた。
同日の債券市場でも、満期3カ月の国庫短期証券(短期国債)に投資資金が殺到、利回りが0%に低下。2005年11月以来、約8年8カ月ぶりの異例の事態だ。原因は、日銀の大量購入で債券市場の流通量が減る中、一定の国債を確保しておきたい金融機関の買いが集中したためだ。長期金利の指標となる10年物国債の利回りも0・565%と0・6%を割り込む水準が続く。
通常の景気回復局面では、安全資産とされる国債から、よりリスクが高い株式へ資金が流れるため、「株高・債券安(金利は上昇)」となりやすい。金融緩和であふれた資金が「株高・債券高」を支える構図はいつまで続くのか。
欧州中央銀行(ECB)が3日に金融政策の現状維持を決めるなど、日欧では当面、金融緩和が続く見通し。景気回復とともにFRBの早期利上げ観測が広がれば、株価下落や金利急騰の混乱を招く恐れもあり、秋以降は波乱も予想される。1月から段階的に量的緩和の縮小に踏み切ったFRBは、今秋にも緩和を終了する見通しだが、「相当期間はゼロ金利が継続する」と表明するなど市場の期待をつなぎ留めるのに躍起だ。【赤間清広、土屋渓、ワシントン平地修】
・・・ 平成26年7月4日(金)、毎日新聞 23時39分配信より
私のコメント : 『 通常の景気回復局面では、安全資産とされる国債から、よりリスクが高い株式へ資金が流れるため、「株高・債券安(金利は上昇)」となりやすい。金融緩和であふれた資金が「株高・債券高」を支える構図はいつまで続くのか。 欧州中央銀行(ECB)が3日に金融政策の現状維持を決めるなど、日欧では当面、金融緩和が続く見通し・・・』 日本の株式市場に、今後、更に、その影響を与えていくことにもなると感じる。