アングル:大手行が株主還元、国際規制の不透明感払しょくで |
三菱UFJは14日発表した4―9月期決算で、普通株式1株当たりの年間配当予想を従来の16円から18円への引き上げるとともに、1000億円・1億8000万株を上限とする自社株買いも公表した。配当性向は14年3月期の23.4%から26.8%に上昇する。
13日に決算発表した三井住友フィナンシャルグループ(8316.T: 株価, ニュース, レポート)も、年間配当を従来の120円から130円に引き上げると発表した。
会見した三菱UFJの平野信行社長は、自己資本が積み上がってきた状況と、世界の巨大銀行に対する新しい健全性基準となる「TLAC」の枠組みが公表されたことで「規制に関する視界が晴れてきた」と述べ、増配や自社株買いに踏み切った背景を説明した。
3メガなど大手行は前年度にそれぞれ最高益を出すなど、アベノミクスの追い風を受けた好調な業績を背景に自己資本を積み上げてきた。三菱UFJも普通株による自己資本比率が11.4%に達し、すでにバーゼル3で求められている基準をクリア。ただ、新しい健全性規制の議論がまとまらずにいたため、資本を温存していたとみられる。
世界の金融当局で作る金融安定理事会(FSB)が今月発表したTLACは、銀行に対して損失吸収できる債務の積み増しを求めたが、当初、懸念されていた資本性のある債務ではなく普通社債での対応が可能になったほか、邦銀は日本の預金保険制度によるかさ上げも認められることになり、規制リスクへの懸念が一挙に払しょくされた。三井住友の宮田孝一社長も13日の会見で「(TLACの議論は三井住友の経営にインパクトがある方向には行っていない」と述べ、影響はないとの考えを示した。
三井住友は中期経営計画で配当性向を25%程度としているが、今回の増配により当初の24%台から26.2%となる。宮田社長は「株主からは配当性向30%という目線感じている」と語っており、さらなる増配にも含みを持たせた。
三菱UFJの平野社長は「今後は資本充実、株主還元、成長投資の3つのバランスを取りながら資本政策行う」と語っている。
・・・ 2014年 11月 14日 ロイター 21:37 JST 配信より
私のコメント: 日本の証券会社の各外交員から各顧客に対して、長期に亘る株式市況に関しての説明 等、そのご活躍についても祈る。