「吉田松陰の妹なんて知らないよ」…新大河『花燃ゆ』めぐる“困惑”と“自信” |
■兄は罪人、夫は浮気
主人公の設定について、制作統括の土屋勝裕チーフプロデューサーは「名前が知られていない人が主人公ということで、ドラマとして先が読みにくく、展開を楽しみにできると思う」。脚本家の大島里美さんは「(史実上の)『かせ』が少なくていい。思い切って“激動の時代”に飛び込ませることができる。作ろうと思っても作れないくらい、杉文(すぎ・ふみ)さんはドラマチックな生涯を歩んだ女性だと思います」
今回の主人公、文(後に美和と改名。演じるのは井上真央)。まず、どんな人物なのかを知っておきたい。
文は天保14(1843)年、長州藩士である杉家の四女として生まれた。兄で松下村塾の主宰者、吉田寅次郎(後の松陰、伊勢谷友介)を助け、門弟たちの世話を担う。最初に松下村塾の門弟、久坂玄瑞(くさか・げんずい)(東出昌大)に嫁いだものの、久坂は「禁門の変」(京で起きた武力衝突)で自刃してしまう。夫を失った文は、毛利家に仕え、毛利家の若君である元昭の守り役に抜擢(ばってき)される。その後、亡き姉の夫の初代群馬県令(現在の県知事)、楫取素彦(かとり・もとひこ)(大沢たかお)と再婚。華族の妻として生き、教育者として学校設立にも携わるなど、波瀾(はらん)万丈の人生を送った。
「天下の英才」として名をとどろかせていた久坂。だが、京では愛人を作り、隠し子までいた。土屋さんは「兄は罪人、夫は浮気。さらに文さんは、その隠し子を、久坂家の跡取りとして認知する。そのうえ、姉の夫と再婚して、育てた子供は殿様の子供(元昭)…。これまでスポットライトが当たっていなかったけれど、ものすごく劇的な人生を送った人だと思う」。
■ウィキにも載っていなかった
この文という人物、昨年12月にドラマの制作が発表されるまで、ネット百科事典「wikipedia(ウィキペディア)」にも載っていなかった。現在もネットでは、「吉田松陰の妹って、誰だよ…」「もっと王道な人を取り上げてほしい」など、疑問や不満の声も散見される。
主人公決めの経緯について、これまで「篤姫(あつひめ)」「龍馬伝」に関わってきた土屋さんは、「舞台が薩摩、土佐ときたら、次は長州だろうと考えた。ただ、吉田松陰や高杉晋作といった長州の偉人たちは、みな志半ばで倒れてしまった。彼らの後をフォローした人物が大事なんじゃないかな、と思った」と語る。
主人公選びに苦戦するなかで見つけたのが、薩長同盟の「陰の立役者」とされる楫取素彦。よく調べるとこの人物、松陰の妹2人と結婚したという経歴を持っていた。「これは面白い、と思った。そこで、文さんが浮かんだんです」
■幕末版「男はつらいよ」
ドラマは大まかに「4部構成」。第1部は松陰の死まで、2部は松下村塾の教え子たちが攘夷を実行し、「禁門の変」で久坂が死ぬまでを。3部は高杉による「功山寺挙兵」(長州藩内の軍事クーデター)や、文が毛利家の奥女中として働くところ、4部は文が楫取と再婚し、波乱に満ちた生涯を終えるところまでを描く-という具合だ。
「花燃ゆ」には、志士たちが理想に燃える「男たちのドラマ」、毛利家の“大奥”の様子を描いた「女たちのドラマ」という要素のほか、「学園ドラマ」や「ホームドラマ」としてのエキスもあるという。
「『学園ドラマ』は、松下村塾の若者たちの青春群像劇を描く。その一方で、先生の寅次郎が、黒船密航の試みなど、いろいろなことをやらかしちゃう。その度ごとに家族が右往左往しながら、それでも寅次郎のことを愛して支える、という『ホームドラマ』でもある。幕末版『男はつらいよ』と思っていただければ」
■女性主人公で「幕末」が描けるのか
ネットで散見される声として、「なぜ最近の大河は戦国・幕末ばかりなのか」という指摘もある。確かに、21日に終了した「軍師官兵衛」を含めた過去5作中、幕末ものは「龍馬伝」(22年)、「八重の桜」(25年)の2作がある。土屋氏は「幕末は今の日本の流れに直接関わってくる、という時代。また、東日本大震災以降、日本では『今、ここにあるささやかな幸せを守りたい』という気持ちが非常に強くなった。その点、幕末は西洋列強が出てきたときに、国や家族を守ろうと頑張った人たちが数多く登場した時代。共感しやすいのでは」と狙いを語る。
さらに、「女性主人公で、幕末の動乱を描けるのか」という問いかけも多い。土屋さんは、文には「第1話で吉田松陰と小田村伊之助(後の楫取素彦)が出会うきっかけを作るなど、人と人とをつなぎ合わせる役割を持たせる」と語る。また、長州男児のドラマを中心に据えたものは、医者で兵学者の大村益次郎が主人公の大河ドラマ「花神(かしん)」(昭和52年)で描かれているとしたうえで、「日曜8時という時間帯は、『リラックスしてテレビを見たい』と思う人が多い。『尊皇攘夷!』『公武合体!』と叫んでいる男たちを中心に描くより、女性からの視点の方が柔らかいし、明るい気分で見られる」
「花燃ゆ」というタイトルには、「情熱や恋の炎を燃やす」という思いが込められている。土屋さんは「大河はやっぱり難しいな、と思う方は多い。ただ、『花燃ゆ』は、『学園ドラマ』のほか、サラリーマンが見たら『男たちのドラマ』、働いている女性が見たら『女たちのドラマ』などと、あらゆる世代が楽しめると思う。現代のドラマと同じように分かりやすく面白く、でも歴史ドラマなので、ためになる要素も出していきたいと思います」と話している。
「軍師官兵衛」が、初回から最終回までの期間平均視聴率で15・8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ、以下同)と、その前作「八重の桜」(14・6%)、前々作の「平清盛」(12・0%)を上回り、大河として久々に気を吐いた。制作者側は、数字はあえて意識していないというが、「花燃ゆ」はどれだけの数字をあげるのかにも世間の注目は集まりそうだ。 ・・・ 平成26年12月23日(火)、産経新聞 18時36分配信
私のコメント: NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(総合、日曜午後8時)が来年1月4日にスタートする。出演女優の一人、檀ふみが、どんな人物なのかは、檀ふみ 慶應義塾大学 在学中、私は、東急東横線 日吉駅前においても、その待ち合わせ中に ・・・・ ということもあり、檀ふみにおける人柄と人となり、その慶應義塾大学の在学中に、痛いほど、私は、知ってもいるが、今回の主人公、文を演じるは、井上真央であり、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」 主演女優 の井上真央 人柄と人となりについても、まず、どんな人物なのかを知っておきたい ・・・等と 現在に至り、私は、それを願っている。