<明治産業革命遺産>審議延期…日韓「強制徴用」対立再び |
審議の延期決定を受け、長崎市の田上富久市長は会場で「必ず外交団の努力がゴールにたどり着いてくれると思う」と期待。ただ「明日の午後3時という日程にどういう意味があるのか。ある程度、日韓の交渉がまとまった中で決まったのか、政府の情報を待ちたい」との不安も見せた。
「審議が5日に延期になった」との情報が流れたのは4日午前9時(日本時間同午後4時)ごろ。会場で日本政府関係者は「現時点で日程は変わっていない」と説明したが、その後に姿を見せた伊藤祐一郎・鹿児島県知事は「内閣府から審議が延期になったという情報が入ったが、その後、予定通り審議する可能性があるので急いで来てくれと言われた」と明かした。
審議は事前に決められていた順番が変更され、先に韓国が推薦した「百済歴史遺跡地区」の登録が決定。ある自民党幹部は「韓国側が強硬なまま日本の審議に入れば、投票になると懸念したのではないか。韓国の案件は先に決まったのに、日本だけやらない、というわけにはいかない」と、いら立ちを隠さない。
会場で日本政府関係者は「本来、産業革命遺産は政治的なものではなく、文化遺産としての価値を認定してもらうためにここまで積み重ねてきた。日韓外相会談での合意が、この段階でひっくり返されていいのか」と怒りをあらわにした。
また、ポルトガルのユネスコ大使は「遺産群は総体で一つであって、ある時代を切り取ることはできない。全参加国が満足できる結果を待っている」と、日韓の歩み寄りを促した。
一方、韓国の尹炳世外相は、6月の日韓外相会談後、韓国メディアに「世界遺産委員会の場で導き出された結論は、国際社会を前にした約束であり、(日本は)約束すれば誠実に履行しなければならないだろう」と強調。審議の場や、作成する文書の中で、韓国側の要求を最大限に反映させたいとの思いをにじませていた。
聯合ニュースは4日、「今回の件は、どういう結末になろうが韓国側、日本側ともに100%満足する結果にはならないだろう」との韓国側代表団関係者の声を伝えた。【ボン中西啓介、ソウル米村耕一】 ・・・ 平成27年7月5日(日)、毎日新聞 9時6分配信より
私のコメント: 日本が世界文化遺産に推薦する「明治日本の産業革命遺産」の審議が、5日に先送りされ、この件が、世界をまたぐ、大反響を及ぼしている外交問題ともなっている外交案件は、日本外務省、外務大臣による善良なる日本国民への説明責任についても、並行し、発生する。