<太陽光発電>業者、無許可で危険斜面掘削 和歌山の山林 |
土砂崩れの恐れがあるとして「土砂災害警戒区域」に指定されている和歌山県紀美野町の山林で、大阪市の太陽光発電事業者が売電用に太陽光パネルの設置工事をした際、無許可で斜面を削るなどしていたことが、同県などへの取材で分かった。県は業者に対し文書指導や是正勧告を繰り返しているが、斜面補強などの対策は取られていない。自然エネルギーの利用促進が災害リスクを高める事態になり、県は設備の撤去命令なども検討している。
同町は2011年9月の紀伊半島豪雨で死傷者はいなかったが、土砂崩れが多発した。現場は同町柴目の山間部にある民有地。和歌山県は土砂災害危険箇所としてホームページなどで公表しており、民家に近い場所は土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域に指定。別の法律で「地すべり防止区域」「砂防指定地」にも指定され、開発行為には知事の許可が必要だ。
県などによると、この業者は今年3月、設置工事を申請。5月に県の担当者が現地確認した際、申請された計画にはなかった斜面の掘削がされており、雨水を流すための排水溝も整備されていなかった。斜面は現在も土がむき出しで、鉄パイプを組んだ足場に取り付けたパネルが張り付けられているだけだ。削り取った斜面の周辺には複数の民家がある。
申請ではパネルの面積は約6900平方メートルだったが、実際にはそれより広いとみられる。このため県は7月、現場の安全性が確認できないとして業者を文書で指導した。8月には是正勧告を2度したが、具体的な改善計画は示されず、違法に開発した面積すら確定していない。
県は今月2日、3度目の勧告を実施した。現在は工事は止まっているが、改善に向けた具体的な動きがない場合、設備の撤去命令にも踏み切る。県砂防課は「現場はそもそも地滑りが発生してもおかしくない地形。斜面を削るのは大きな問題がある」と言う。斜面裏手に住む女性は「雨が降ると斜面の下の方の沢はかなりの水量になる。周辺は高齢者ばかりで、何も起きてほしくない」と心配する。
業者は毎日新聞の取材に「危険のある区域とは知っていたが、開発に制限があるという認識がなかった。斜面の掘削は、任せていた工事業者が勝手に削ってしまった。善処するつもりだが、めどは立っていない」と話した。【稲生陽】 ・・・ 平成27年9月6日(日)、毎日新聞 9時0分配信より
私のコメント: 土砂崩れの恐れがあるとして、その「土砂災害警戒区域」に指定されている山林造成に関しては、気をつけられたい。 また、太陽光発電 地域においては、アマチュア無線 等、そのアンテナで、受信される場合、その電波障害が発生する場合も、 同様に ・・・。