彦根城跡で土砂崩れ 台風18号、湖東地域に集中豪雨 |
県内は九日、台風18号の影響で東部を中心に大雨となった。彦根市では朝、一時間当たり二四・〇ミリの雨量を観測、八日午後三時から二十四時間では九八・〇ミリを記録した。国特別史跡「彦根城跡」の表門入り口近くでは、土砂崩れがあった。
彦根城跡では九日午前十時すぎ、管理事務所の山田静男所長(61)が、一人で国宝・天守の様子を見に行った帰りの山道で、斜面の崩落に遭遇した。
「ゴオォーと音を立てて、一瞬で土砂が崩れ落ちてきました」。石段を下っていた山田さんは絶壁側を避けており、けがはなかった。土砂崩れの後も「ゴロゴロ」という音を立てて、三回の落石があった。全体では幅三メートル、高さ五メートルの範囲での被害となった。
管理事務所は午前七時半、台風の進路を見て、八時半からの有料区域閉鎖を決めた。「安全確保のために判断したが、この規模で山肌が崩れるのは珍しく、懸命だった」と山田さんは振り返った。台風が静まり、城跡の点検が終わった午後二時半、開城を決めた。土砂は十日朝から撤去する。
彦根市文化財課によると、彦根城跡では昨年八月の集中豪雨で、内堀の石垣が幅四メートル、高さ二メートルの範囲で崩れる被害があった。山肌の崩落は年に何度かあるが、けが人はいない。
一方、県内全体では九日午後八時二十五分現在、日野町内の百三十世帯三百四十四人を対象に避難勧告が出されている。
県防災危機管理局によると、けが人や家屋の浸水被害、土砂崩れなど、目立った被害はなかった。
(河辺嘉奈子、山村俊輔、井本拓志) ・・・ 2015年9月10日 中日新聞 配信より
私のコメント : 今年は、エルニーニョ現象が顕著で、各県の防災危機管理局におかれては、今後の気象予報についても、気をつけて対応をされていきたい。