アベノミクス「停滞させない」 石原経済再生相が会見 |
甘利明前経済再生相が現金授受問題で辞任し、後任となった石原伸晃経済再生相は29日、閣議後の記者会見で「アベノミクスが停滞するのではないかという不安を国民が感じていることはテレビのニュースを見ても明らかだが、そうならないようにしたい」と語った。この会見が事実上の就任会見となった。
通常国会では新年度予算案の成立後、環太平洋経済連携協定(TPP)の関連法案の審議も控える。TPP担当相も兼ねる石原氏は「(前任の)甘利氏はTPP交渉も苦労された。それに恥じることがないように積み上げていきたい」と強調。その上で、「2016年度予算案を一日も(早く)通すことが、一つの大きな命題だ」と述べた。
この日の閣議後の閣僚懇談会で、安倍晋三首相は甘利氏が辞任した経緯を説明。出席者によると、首相は「甘利大臣から『今回の疑惑について事務所の責任という形で辞任したい。国会の審議を停滞させることは自らの考えとも違う。とにかく一刻の停滞も許されない』との趣旨で辞意があった」と語ったという。
菅義偉官房長官は閣議後会見で、「甘利氏は安倍内閣の経済の司令塔としてアベノミクスを進め、TPPをまとめられた。引き続いて安倍内閣は経済最優先で取り組んでいく」と強調。その上で、「一刻の停滞もあってはならないという考えの中で、直ちに石原大臣を任命した」と述べた。
麻生太郎財務相も会見で「今はデフレ脱却の正念場であり、経済運営などに支障を来さぬよう内閣あげて頑張っていかねばならない」と語った。
一方、野党の民主党、共産党、維新の党の幹部は29日午前に会談し、国会対応について協議した。野党内では甘利氏が22日に行った経済演説について、石原氏によるやり直しを与党が検討すべきだとの声が出ている。また、新年度予算案を審議する衆院予算委員会は29日の趣旨説明を見送ることを決めた。与党は週明けの2月1日に趣旨説明と実質審議に入りたい考えだが、野党は「甘利氏の疑惑が解明されていない」などとして反対している。 ・・・ 平成28年1月29日(金)、朝日新聞 配信より
私のコメント: 内外における、その各事象を分析すると、ドミノ現象が、その発生していく要因についても、垣間見られる。