<英EU離脱>反EU政党に勢い |
【ブリュッセル八田浩輔、ローマ福島良典】英国民の選択は、移民排斥などを掲げて支持を広げる反EU政党を勢いづけた。反ユーロと不法移民排斥を掲げるイタリアの右翼政党「北部同盟」のマッテオ・サルビーニ書記長は「英国の自由市民の勇気に万歳! 今度は私たちの番だ」と支持者を鼓舞した。
欧州では2010年に債務危機が本格化し、ギリシャやスペイン、イタリアなど南欧ではEU主導で厳しい緊縮財政を強いられた苦い経験を持つ。失業率は現在も高く、14年5月には欧州議会選挙で反EU政党が躍進。さらに昨年100万人以上の難民・移民が押し寄せ、移民排斥を掲げる反EU政党が勢いを増している。
米調査機関ピュー・リサーチセンターが今月発表したEU加盟10カ国で行った世論調査では、EUを好ましくないと答えた人は47%に上った。加盟国に権限をある程度戻すべきだと答えた人も10カ国平均で42%に達した。
ブリュッセル自由大のナタリー・ブラック講師(欧州政治)は「EUへの懐疑的な見方が広がっており、過去の危機とは性格が違う。EUが築き上げてきたものを根本的に問い直す必要がある」と話す。EUから加盟国が次々と離脱を求める「ドミノ現象」が起きるとの見方には否定的だが「EU懐疑派やポピュリズム政党を確実に勢いづける」と予想する。
来年はフランスで大統領選、ドイツで総選挙が行われる。EUに懐疑的な有権者に配慮した公約を掲げる候補者も増えそうだ。経済共同体から政治統合体に深化を続け、原加盟6カ国から28カ国に拡大してきたEUは、ギリシャ危機、難民危機に続き、大国・英国の離脱という異質な試練に直面した。
「EU離脱」の投票結果を受けて会見したトゥスク常任議長(EU大統領)は「我々はこのシナリオも想定して準備を進めてきた」と険しい表情で語った。トゥスク氏はユンケル欧州委員長らとの緊急会合を開催。トゥスク氏は会見で「つらい時こそ人は強くなる」と述べ、英国が抜けた後も残る27カ国で結束していく決意を示した。・・・ 平成28年6月24日(金)、毎日新聞 23時28分配信より
私のコメント: 欧州では、2010年に、その債務危機が本格化し、ギリシャやスペイン、イタリアなどではEU主導による、その厳しい緊縮財政も、その該当するEUの諸国民へ、一方的に、強いられ続けている。また、現在も、失業率は、高く、更に、昨年は、100万人以上の難民・移民も押し寄せ、EU加盟国内でも、反EU政党が勢いを増している。