TPP承認案で自民からも造反 ようやく衆院通過も、成立まで道のり険しく |
今国会最大の焦点である環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)承認案と関連法案が10日、ようやく衆院を通過した。政府・与党は閣僚の失言や国会対策の混乱で通過目標を再三延期した上、10日の採決では造反者が出る始末で、後味の悪さを残した。論戦の舞台は11日から参院に移るが、野党は次期米大統領のドナルド・トランプ氏がTPP反対を訴えていることを追い風に攻勢を強める考えだ。
「本日まで採決が遅れ、心からおわび申し上げる」
自民党の竹下亘国対委員長は10日、承認案を採決する衆院本会議前の党代議士会でこう述べ、頭を下げた。衆院通過目標が延期に次ぐ延期となったことへの謝罪だった。
与党の当初の通過目標は10月28日だった。だが、山本有二農林水産相が同月18日に「強行採決」に言及すると情勢は一転。野党の反発を受け、目標を今月1日に再設定した。30日までの会期の延長がなくても自然承認される「30日ルール」適用の期限だったからだ。
しかし、山本氏の失言の余波が大きいと踏むと、「ぎりぎりの期日」(自民党幹部)だった1日通過を断念。代わりに2日の特別委員会で採決し、4日の衆院本会議で採決する日程で野党と合意した。だが、胸をなで下ろしていた1日の夜、山本氏が強行採決発言を「冗談」と再び失言したことで野党は山本氏の辞任を求め、合意も破綻した。
誤算は身内でも生じた。竹下氏は衆院通過を8日に再び延期する方針に転じたが、民進党の理解が得られず、議論は熟したとして4日に特別委の採決に踏み切った。これに与野党協調を重視する大島理森衆院議長と佐藤勉衆院議院運営委員長が「待った」をかけてさらにずれ込み、衆院通過は予定より13日間も遅れた。
しかも10日の本会議では、衆院当選2回の鈴木憲和議員(山形2区)が採決前に退席。党農林部会長代理でもある鈴木氏は記者団に「最初の選挙の公約がTPP反対だった。自分なりのけじめだ」と説明。「TPPはまだまだ理解が浸透していない」と政府・与党への批判も展開した。
二階俊博幹事長は記者団に「(鈴木氏の名前を)聞いたこともなく、いちいち論評する必要がない。処分にも値しない。処分は立派な議員に対するものだ」と痛烈に批判した。
一方、野党側は、TPP撤退を訴えるトランプ氏の米大統領選勝利を最大限利用する考えだ。民進党の蓮舫代表は10日の記者会見で衆院通過について「非常に憤りを覚える。米国が批准しなければ発効しない仕組みなのに、なぜわが国だけが急ぐのか」と批判した。
野党4党が山本氏の不信任決議案提出に踏み切ったのも、国会を正常化させ、質疑で安倍晋三首相を追及した方が得策と判断した面が大きい。自然承認を阻止したい参院の与野党は水面下で、22日にTPP特別委員会で中央公聴会を行う日程まで合意。野党は参院の審議を早く始め、承認案の今国会成立にこだわる首相らと米国との矛盾を突く狙いだ。(田中一世、豊田真由美)・・・ 2016.11.11、産経新聞 00:01更新 配信より
私のコメント: 平成28年11月10日の本会議では、衆院当選2回の鈴木憲和議員(山形2区)が採決前に退席。党農林部会長代理でもある鈴木氏は記者団に「最初の選挙の公約がTPP反対だった。自分なりのけじめだ」と説明。「TPPはまだまだ理解が浸透していない」と政府・与党への批判も展開した。野党側は、TPP撤退を訴えるトランプ氏の米大統領選勝利を最大限利用する考えだ。民進党の蓮舫代表は10日の記者会見で衆院通過について「非常に憤りを覚える。米国が批准しなければ発効しない仕組みなのに、なぜわが国だけが急ぐのか」と批判した。TPPにおける、与野党の政治家による情報配信 活動は、今後も、注目していきたい。
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<TPP>次の一手苦しく、安倍政権に痛手…発効絶望的
ドナルド・トランプ次期米大統領が大統領選後初めて、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱を表明した。保護主義的な政策が広がれば、アジア市場の取り込みを成長戦略の柱に据える安倍晋三政権には打撃となる。【秋本裕子、ワシントン清水憲司】
トランプ氏の離脱表明後に開かれた22日の参院TPP特別委員会。古賀之士氏(民進)は「首相は(トランプ氏と)90分会談した。中身や意義は何だったのか、という声もあがっている」と述べ、17日のトランプ氏との会談の成果をただした。岸田文雄外相は「国内手続きを進め(TPP発効の)機運を盛り上げる」と答えたが、発効は絶望的だ。
日本の「次の一手」は限られる。一つは米国抜きの11カ国で発効させ、枠組みだけでも作っておくことだ。だが、参加国の最大の狙いは対米輸出増にある。安倍首相は21日、アルゼンチンでの記者会見で「TPPは米国抜きでは意味がない」と述べ、否定的だ。
日本はひとまず国内手続きを完了させ、長時間かけてトランプ氏の翻意を待つ構えだ。しかし、既にベトナムが国内手続きを先送りする中、トランプ氏の発言を受けてTPPが推進力を失うのは必至だ。
TPPを“塩漬け”している間に、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を進める中国が、アジア太平洋の通商交渉の主役に躍り出る可能性もある。中国の習近平国家主席は21日、ペルーのクチンスキ大統領と会談し、「ペルーとともに、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)プロセスを進めたい」と述べ、アジア太平洋地域を網羅する自由貿易協定(FTA)の構築に意欲を示した。日本はTPPなどを成立させ、貿易総額に対するFTA相手国の比率を、2015年度の約23%から、韓国並みの約7割に引き上げ、新興国市場の成長力を取り込むシナリオを描いてきたが、実現は遠のく。
一方、トランプ氏が志向する2国間でのFTA交渉には、他国の警戒感が強い。トランプ氏は「国内に雇用と産業を引き戻すような公正な2国間協定に向け交渉する」と述べたが、日本にとっては「米国が農産物などの市場開放を激しく求めてくる可能性が高い」(経済官庁幹部)ため、受け入れがたいシナリオだ。
日本はTPP交渉にあたり、「米国からの市場開放圧力には新興国などと協力して対抗し、知的財産権保護などのルール作りでは、米国と歩調をあわせて新興国の門戸を開かせる」戦術を取った。2国間交渉で米国の圧力を直接受ければ、TPP以上の譲歩を迫られる。12年に発効した米韓FTAでは、ブッシュ政権時代の07年にいったん妥結しながら、オバマ政権が追加交渉を韓国政府に求め、韓国向けの自動車輸出で譲歩を引き出した。米国が国益をむき出しにした交渉を進めれば、FTAへの他国の支持を失う。国境をまたいだ投資や貿易が細り、経済が停滞する恐れもある。 ...・ 平成28年11月22(火) 、毎日新聞 21:20配信より
私のコメント: 日本はTPP交渉にあたり、「米国からの市場開放圧力には新興国などと協力して対抗し、知的財産権保護などのルール作りでは、米国と歩調をあわせて新興国の門戸を開かせる」戦術を取った。2国間交渉で米国の圧力を直接受ければ、TPP以上の譲歩を迫られる。12年に発効した米韓FTAでは、ブッシュ政権時代の07年にいったん妥結しながら、オバマ政権が追加交渉を韓国政府に求め、韓国向けの自動車輸出で譲歩を引き出した。米国が国益をむき出しにした交渉を進めれば、FTAへの他国の支持を失う。国境をまたいだ投資や貿易が細り、経済が停滞する恐れもあるため また、トランプ氏は「国内に雇用と産業を引き戻すような公正な2国間協定に向け交渉する」と述べたが、日本にとっては「米国が農産物などの市場開放を激しく求めてくる可能性が高い」(経済官庁幹部)ため、受け入れがたいシナリオだ。2国間交渉で米国の圧力を直接受ければ、譲歩も迫られる主因ともなっていくため それに関係されている 自民党 総務会長 衆議院議員 細田博之代議士、自民党 国会対策委員長 衆議院議員 竹下亘代議士、参議院議員 青木一彦先生、( 2015年7月24日、島根県と鳥取県の参議院合同選挙区(合区)による鳥取県・島根県選挙区を創設する公職選挙法改正案に 棄権をされた ) 参議院議員 島田三郎先生、 前参議院議員 亀井亜紀子先生による、島根県 等の有権者 皆様へ インターネット上で 国会議員や前国会議員としての立場を 説明され続けられている その公式のオフィシャル サイトについては、日本国内のTPP関係者・関係機関から、更に、関心を持って見ていきたいものである。