コール元ドイツ首相が死去 東西ドイツを統一 |
【ベルリン=石川潤】1990年に東西ドイツを統一したヘルムート・コール元ドイツ首相が16日、死去した。87歳だった。首相在任中に欧州連合(EU)の基礎となるマーストリヒト条約に調印。名実ともに「欧州のなかのドイツ」を実現した。
82年の内閣不信任案でシュミット政権を倒し、首相に就いた。89年にベルリンの壁が崩壊すると外交交渉に奔走。北大西洋条約機構(NATO)の拡大を警戒するゴルバチョフソ連大統領には経済援助の見返りにドイツ再統一を認めるように迫った。91年には首都をボンからベルリンに移したが、旧東独地区の復興が難航。98年の総選挙で敗れ、首相の座を失った。
コール氏は30年にドイツ西南部のラインラント・プファルツ州に生まれた。カトリックを信仰する保守的な家庭で育った影響で10代でキリスト教民主同盟(CDU)に入党した。 ・・・ 2017/6/17、日本経済新聞 0:46 配信より
私のコメント : 「 ドイツのメルケル首相は訪問先のバチカンからテレビ演説し、「コール氏は偉大なドイツ人であり、偉大なヨーロッパ人だった。彼は、ドイツ統一とヨーロッパ統合というドイツにとって、過去数十年最も重要だった2つの課題に懸命に取り組んだ」と述べ、その業績をたたえました。
そのうえで、メルケル首相は「コール氏は歴史を理解したうえで、国境を越えた友好関係を築き、アメリカやポーランド、フランスやソビエトといった国々の人たちから信頼を勝ち得た。これにドイツ人は感謝すべきだ」と述べ、コール元首相が各国首脳らと友好関係を築いたことで、ドイツ統一へ向けて、周辺国の理解を得ることができたことを強調しました。
また、旧東ドイツで育ったメルケル首相は「コール元首相は私の人生にも決定的な影響を与えた。ほかの数百万人の市民と同様、私も独裁国家から自由で民主的な国へと移ることができた。それ以来、あらゆるものが監視されるおそれなしで生きることができた」と述べ、感謝の気持ちを示しました。
フランスのマクロン大統領は声明を発表し、「コール氏はヨーロッパのみならず、世界で最も偉大な指導者の1人だった。フランスのミッテラン元大統領とともにドイツ統一を主導し、ヨーロッパの統合を推し進め、フランスとドイツの2国間関係を深めた。自由な移動や単一通貨など、われわれヨーロッパの偉大な業績は、コール氏に負うところが大きい」として、その功績をたたえました。そして、「メルケル首相とドイツの国民にお悔やみと友情を表す」として、哀悼の意を表しました。
マクロン大統領は、また自身のツイッターで、フランス語とともにドイツ語でも、「われわれはヨーロッパの極めて偉大な人物を失うことになった」などと投稿し、ドイツとの連帯をアピールしました。
アメリカのトランプ大統領は16日、声明を発表し、「ドイツの現代史で最も長く首相を務めたコール氏は、アメリカの友人であり盟友であった。ドイツ統一の父であるだけでなく、アメリカとヨーロッパの関係の推進役でもあった。世界は彼が描くビジョンや努力から利益をもたらされてきた。彼の功績は生き続けるだろう」と業績をたたえました。
中曽根元総理大臣は「大きな体でにこやかに話すコール元首相の姿が懐かしく思い出される。サミットや国際会議の場で、互いの立場を超えて親交をいただいた。特にサミットのもとで西側諸国が団結し、東西冷戦の終結とともに東西ドイツの統一が実現したことは、コール氏の指導力と判断、そして何よりその果断な行動力がもたらしたものだ。それが、その後のEU統合のうえで大きな推進力となったことは、コール氏の大きな功績だ。深甚なる敬意を表し、心からのご冥福をお祈りする」などとしたコメントを発表しました。
EU=ヨーロッパ連合のユンケル委員長は声明を発表し、「コール元首相の訃報に深く傷ついた。私の師であり、友人であり、ヨーロッパの本質でもあった」と死を惜しみました。
そのうえで、ユンケル委員長は「コール元首相は東西の間に橋をかけただけでなく、ヨーロッパの未来に向け、よりよい青写真を描き続けた。単一通貨のユーロはコール元首相なしでは、なしえなかった」として、現在のEUの統合の基礎を築いた功績をたたえました。
ブリュッセルにあるEUの本部では、コール元首相の死去の知らせを受けて半旗が掲げられました。
ドイツのコール元首相が16日、死去したことについて、同じ時期の1989年から4年間、任期を務めたアメリカのブッシュ元大統領は声明を発表しました。
この中で、「コール元首相は、第二次世界大戦後のヨーロッパで最も偉大な指導者の1人だった。私の友人であるコール氏と緊密に連携できたことで、東西冷戦は平和的に終わることになり、ドイツの統一は、私にとっても人生で最大の喜びの一つとなっている」と述べ、コール氏の功績をたたえました。」・・・ 平成29年6月17日、NHK NEWS WEB 配信より
ドイツのコール元首相が、死去し、同時期の1989年から4年間、任期を務めたアメリカのブッシュ元大統領が、その声明を発表した中で、「コール元首相は、第二次世界大戦後のヨーロッパで最も偉大な指導者の1人だった。私の友人であるコール氏と緊密に連携できたことで、東西冷戦は平和的に終わることになり、ドイツの統一は、私にとっても人生で最大の喜びの一つとなっている」と述べたことには、日本国民は、その関心と注意も払っていきたい。