出光興産が増資を発表 創業家側は差し止め求める方針 |
創業家の反対で、昭和シェル石油との合併協議が難航している、出光興産は財務基盤を強化するなどとして、1400億円近い公募増資の実施を発表しました。これによって、創業家側の株式の比率が下がって、経営への影響力が低下するため、創業家側は裁判所に差し止めを求める仮処分を申し立てる方針を示すなど、強く反発しています。
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発表によりますと、出光興産は発行済みの株式数の30%に当たる4800万株を新たに発行する公募増資を行い、国内でおよそ970億円、海外で415億円の合わせて1385億円を調達するとしています。
理由について、会社側は財務基盤強化のため、昭和シェル石油の株式を取得した際の費用の返済や、スマートフォンに向けた有機EL材料の製造など、将来性のある事業への投資のためとしています。
出光興産は、株主総会で合併を否決できる3分の1を上回る株式を持つ創業家側の反対で、昭和シェル石油との合併協議が難航していますが、この増資によって創業家側の比率は26%程度にまで低下します。
このため、創業家の代理人を務める弁護士は直ちに、「創業家の株式の比率の低下を目的とすることは明らかだ」として、裁判所に差し止めを求める仮処分を申し立てる方針を明らかにしました。
一方、会社側は「創業家の影響力の低下を意図したものではなく、引き続き説得を続ける」としていますが、出光興産の会社側と創業家側との経営をめぐる混乱は続きそうです。・・・ 平成29年7月3日、NHK NEWS WEB 18時50分 配信より
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出光興産 現経営陣再任 創業家との対立鮮明に
石油元売り大手、出光興産の株主総会が29日開かれ、昭和シェル石油との合併を進めたい今の経営陣を再任する議案が可決されましたが、大株主の創業家は経営陣の再任に反対し、双方の対立が改めて鮮明になりました。
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東京都内のホテルで開かれた出光興産の株主総会には、およそ500人の株主が出席しました。出光興産は国内市場が縮小する中、収益力を強化するため、ことし4月に昭和シェル石油と合併する計画でしたが、大株主である創業家の反対で、実現には至っていません。
29日の株主総会では、月岡隆社長など今の経営陣を再任する議案が賛成多数で可決されましたが、創業家側は反対しました。
株主総会のあと、月岡社長は「合併はすべての関係者の利益になると確信している。引き続き、創業家に合併の意義を説明したい」というコメントを発表し、今回、経営陣が再任されたことで合併計画についても過半数の株主の支持が得られたとして、創業家に理解を求めていく考えを示しました。
一方、創業家側の代理人の弁護士は記者団に対し、「経営陣の再任は石油価格の上昇や円高で業績が好調だったためで、合併が支持されたとは思わない。引き続き、合併の撤回を目指す」と述べ、双方の対立が収まる見通しは立っていません。
株主は
出光興産の株主総会に出席した株主の女性は、「社会や経済の情勢を考えると合併で力を強めないと取り残されてしまう。創業家と経営陣の対立は残念で、株主としては協力してほしい」と話していました。
元社員の株主の男性は、「OBとしては創業家との対立は苦々しい気持ちで見ている。早く決着をつけてほしい」と話していました。
札幌市で系列のガソリンスタンドを経営している株主の男性は、「需要が減っていく中で生き残っていくのは難しい。シェアを高めるためにも、出光と昭和シェルが統合してほしいし私たちもその手伝いをしていきたい」と話していました。 ・・・ 平成29年 6月29日 NHK NEWS WEB 14時05分 配信より
私のコメント : 平成29年7月3日、石油元売り大手、出光興産の株主総会が29日開かれ、昭和シェル石油との合併を進めたい今の経営陣を再任する議案が可決されましたが、大株主の創業家は経営陣の再任に反対し、双方の対立が改めて鮮明になりました。創業家の代理人を務める弁護士は直ちに、「創業家の株式の比率の低下を目的とすることは明らかだ」として、裁判所に差し止めを求める仮処分を申し立てる方針を明らかにしました。会社側は「創業家の影響力の低下を意図したものではなく、引き続き説得を続ける」としていますが、出光興産の会社側と創業家側との経営をめぐる混乱は続きそうです。