北朝鮮軍で弾道ミサイルの運用を担う戦略軍は、9日、「アメリカに厳重な警告信号を送るため」として、中距離弾道ミサイル「火星12型」をグアム島周辺に向けて発射する計画を検討しているとする報道官声明を発表しました。
これに続いて、戦略軍の司令官は、10日朝、国営メディアを通じて検討中の計画の詳細を発表し、10日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は1面に発表の内容を掲載しました。それによりますと、「火星12型」4発の同時発射を検討しているとし、「日本の島根県、広島県、高知県の上空を通過し、3356.7キロの距離を1065秒間飛行した後、グアム島の周辺30から40キロの海上に落ちるだろう」と、具体的な飛行ルートを予告しました。そのうえで、「今月中旬までに計画を完成させ、核武力の総司令官キム・ジョンウン(金正恩)同志に報告し命令を待つ」として、アメリカを強く威嚇しました。
今月21日からはアメリカ軍と韓国軍による定例の合同軍事演習が行われる予定で、これを前に、北朝鮮は繰り返しアメリカをけん制しており、弾道ミサイルの発射に各国の警戒が強まっています。
官房長官「高度な警戒監視体制を維持」
菅官房長官は記者会見で、「北朝鮮による挑発行動は断じて容認することはできず、国際社会が繰り返している強い警告と非難を真摯(しんし)に受け止め、先般採択された国連安全保障理事会の決議を順守し、さらなる挑発行動を自制することを強く求めたい」と述べました。そのうえで、菅官房長官は「国民の生命、そして財産を守るべく、高度な警戒監視体制を維持し、いかなる事態にも対応することができるよう、緊張感を持って平和と安全の確保に万全を期していきたい」と述べました。
一方、菅官房長官は、アメリカのトランプ大統領が北朝鮮を強くけん制していることについて、「地域の安全保障が極めて厳しい状況の中で、アメリカの抑止力を確保することは極めて重要だ。今月17日に開かれる日米の外務・防衛の閣僚協議、いわゆる『2+2』の機会も活用し、引き続き日米同盟を強化していきたい」と述べました。
防衛相「情報収集し 不断の努力で対応」
小野寺防衛大臣は、衆議院安全保障委員会で「北朝鮮がさまざまな発言をしているが、安全保障上さまざまな情報収集をする中で、不断の努力で対応し、万が一のさまざまな事態に備えて、日頃からしっかりとした態勢を整え、安心できる態勢を構築していきたい」と述べました。
また「国連安全保障理事会の決議で、ロシアや中国も参加して経済制裁を強化することが決まっており、このメッセージを北朝鮮がしっかりと受け止め、核・ミサイル、拉致の問題が解決できるようしっかり努力していきたい」と述べました。
一方、小野寺大臣は、仮に北朝鮮がグアムに向けてミサイルを撃った場合、集団的自衛権の行使が可能になる存立危機事態に認定できるのか質問されたのに対し、「一般的に言えば、武力行使の新3要件に合致すれば対応できる。日本は、防衛に関しては守り防ぐ盾の役割であり、逆に打撃力で抑止力を高めるのが、アメリカ側の役割だ。両方があって日本の抑止力が高まることを考えると、アメリカ側の抑止力、打撃力が欠如するということは、日本の存立の危機にあたる可能性がないとは言えない」と述べました。
小野寺防衛大臣は、参議院外交防衛委員会で「外交圧力で北朝鮮に弾道ミサイルを発射させないのが基本だが、万が一、発射された場合には、防衛省・自衛隊は万全の態勢で国民を守る役割を担う」と述べました。
また、日本国内に弾道ミサイルが着弾した場合の対応を問われ、「万が一の想定で答えるが、防衛省・自衛隊は関係機関と連携しながら、航空機などからの被害状況の確認、行方不明者の捜索・救助、輸送車両などを活用した周辺住民の待避支援、危険物質の除染など、事態に応じて必要な措置を取る」と述べました。
被爆地 広島 不安や憤りの声
北朝鮮がアメリカのグアム島周辺に向けた弾道ミサイルの発射計画で「広島県など日本の上空を通過させ、グアム島周辺の海上に落とす」と具体的な飛行ルートを予告したうえで、計画を今月中旬までに完成させるとしたことについて、被爆地の広島では不安や憤りの声が聞かれました。
祖父が被爆したという広島市の68歳の女性は「北朝鮮はどこまで本気なのか不安になるばかりだ。被爆地の声や世界の情勢も北朝鮮にとっては関係ないのではないかと思う。孫のことを考えると『絶対に飛ばさないで』と言いたいが、そう言っても止めるのは難しいのではないか」と、そばにいた孫を見ながら話していました。
また、被爆した曽祖母がいる広島市の33歳の女性は「広島の上空を飛ぶのはいやだ。曽祖母が原爆を経験していて、今でも雷の音が怖いなどと苦しい思いを抱えている。世界平和を考えて日本政府には戦争を経験した人の声を聞いてしっかり対応してほしいし、北朝鮮も世界に目を向けて冷静に対応してほしい」と話していました。
グアムの住民は
北朝鮮がアメリカのグアム島周辺に向けた弾道ミサイルの発射計画を今月中旬までに完成させるとしたことについて、グアムに住む女性は「グアムには軍が駐留しているので安全だと思う。島を守ってくれるはずだ」と話していました。
一方、別の住民からは「たいしたことがないようにふるまっている人々もいるが、私たちにとってはとても大きな問題だ」とか「大統領は私たちを守るために何をしてくれるのか。小さい子どももいて、恐ろしい」と心配する声も聞かれました。
韓国軍「断固たる対応」
北朝鮮がアメリカのグアム島周辺に向けた弾道ミサイルの発射計画を今月中旬までに完成させるとしたことについて、韓国軍の合同参謀本部のノ・ジェチョン(魯在天)広報室長は、10日午前の記者会見で声明を発表し「北の妄言は、韓国軍と米韓同盟に対する深刻な挑戦だ。韓国軍の警告にもかかわらず、北が挑発を行うならば、米韓同盟の強力で断固たる対応に直面することになる」と述べ、北朝鮮をけん制しました。
・・・ 平成29年8月10日(木)、NHK NEWS WEB 17時15分 配信より
私のコメント : 平成29年8月10日(木)、小野寺大臣は、参議院外交防衛委員会、仮に北朝鮮がグアムに向けてミサイルを撃った場合、集団的自衛権の行使が可能になる存立危機事態に認定できるのか質問されたのに対し、「一般的に言えば、武力行使の新3要件に合致すれば対応できる。日本は、防衛に関しては守り防ぐ盾の役割であり、逆に打撃力で抑止力を高めるのが、アメリカ側の役割だ。両方があって日本の抑止力が高まることを考えると、アメリカ側の抑止力、打撃力が欠如するということは、日本の存立の危機にあたる可能性がないとは言えない」、「外交圧力で北朝鮮に弾道ミサイルを発射させないのが基本だが、万が一、発射された場合には、防衛省・自衛隊は万全の態勢で国民を守る役割を担う」。また、日本国内に弾道ミサイルが着弾した場合の対応を問われ、「万が一の想定で答えるが、防衛省・自衛隊は関係機関と連携しながら、航空機などからの被害状況の確認、行方不明者の捜索・救助、輸送車両などを活用した周辺住民の待避支援、危険物質の除染など、事態に応じて必要な措置を取る」と述べた。
北朝鮮がアメリカのグアム島周辺に向けた弾道ミサイルの発射計画で「広島県など日本の上空を通過させ、グアム島周辺の海上に落とす」と具体的な飛行ルートを予告したうえで、計画を今月中旬までに完成させるとした、今後、日本の周辺海域、陸上における領域でも、飛来するかもしれない、弾道ミサイルへ向けて、その通信における防衛戦、始まる見込みが あり、島根県、山口県、等 その該当していくであろう 日本海沿岸 等の地域にては、自衛隊、米軍、並びに、その関係する自治体機関 等により、多方面にわたり、日本の電子 防衛体制の強化も、急がれる状況となると思われる。