山梨2区に自民所属候補2人、県連が二階氏批判 |
2017年10月05日 10時33分
自民党本部は4日、自民党山梨県連が公認を申請していた山梨2区支部長の堀内詔子氏を推薦にとどめ、元自民党で無所属の長崎幸太郎氏の復党を認めることを決定した。
山梨2区に自民党所属の候補が2人いるという事態となり、当選した候補を公認候補とすることも決まったため、2人が議席を争った過去2回の衆院選を上回る激しい選挙戦が予想される。
長崎氏の復党が決まったことを受けて、県連の森屋宏会長と皆川巌会長代行、臼井成夫幹事長は夕方、甲府市の県連会館で約1時間にわたって対応を協議した。堀内氏の公認を申請し、長崎氏の復党に反対してきた森屋会長は、県連の方針が党本部に覆されたことについて、報道各社に「自民党の伝統の中でこのような決定はなかった」と憤りをあらわに。さらに、長崎氏が特別会員として所属する二階派を率いる二階幹事長を「いつまで幹事長をやるのか知らないが、いる間に復党を認めたということではないか」と厳しく批判した。
そのうえで、「県連の総力を挙げて堀内氏の支援に取り組む」と述べ、長崎氏は支援しない方針を示した。
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公認が得られなかった堀内氏は、富士河口湖町で報道各社に対し「推薦となったのは非常に残念」と硬い表情を浮かべ、「1票でも多く他の候補に勝つという気合で走り抜けたい」と述べた。また、堀内氏は「比例復活のない選挙なので、2区で勝ち抜くことだけを考える」とするコメントを発表した。
一方、自民党への復党がかなった長崎氏は、山梨市の山梨市民会館で総決起大会を開いた。長崎氏は「皆さんのお力添えで復党ができた。今後はより質の高い仕事に取り組み、恩返しをしていく」と、支援者に感謝の言葉を述べた。
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長崎氏と堀内家の因縁は、2005年の「郵政解散選挙」にまで遡る。
堀内氏の義父で自民党の衆院議員だった光雄氏は郵政民営化関連法案に反対したため、小泉首相は長崎氏を「刺客」として擁立。長崎氏は2区では光雄氏に敗れたが、比例復活で初当選して議席を得た。光雄氏は06年に復党して、09年の衆院選で自民党公認となったため、反発した長崎氏は離党し、無所属で立候補。2人とも政権交代を掲げた民主党候補に敗れて落選した。保守分裂の争いは、光雄氏の後継者となった堀内氏に引き継がれて現在まで続いている。
無所属の長崎氏は12年と14年の衆院選で堀内氏を破り、無所属のまま二階派の特別会員として地盤を固めた。昨年8月に幹事長に就いた二階氏は、長崎氏を復党させると公言。昨年11月と今年7月には自民党党紀委員会が復党について審査したが、自民党県連が復党に反対していることなどから結論が持ち越されていた。
自民党県連は堀内氏の公認を党本部に申請したが、9月28日の1次公認発表では堀内氏の公認は見送られた。30日には県連の臼井幹事長が二階幹事長に対して、堀内氏を公認するように要請。今月3日の党本部の会議でも公認についての結論は出ず、二階幹事長と塩谷立・選挙対策委員長に一任された形となっていた。
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希望の党は3日、2区に、元愛知県議の井桁亮氏の擁立を決定。堀内氏と長崎氏、井桁氏の保守系3人が乱立する構図となった。民進党公認候補の小林弘幸氏も、希望の公認を得て立候補する意向を示していたが、希望が井桁氏を擁立したため、立候補も難しいのではないかという見方も出始めた。
自民党県連関係者は「長崎氏が自民党の看板を掲げて選挙に臨めば、自民党が分裂しているように映り、井桁氏に有利になる」と懸念を強めている。
・・・ 平成29年年10月5日、読売新聞 10時33分 より
私のコメント : 平成29年年10月 希望の党は3日、2区に、元愛知県議の井桁亮氏の擁立を決定。堀内氏と長崎氏、井桁氏の保守系3人が乱立する構図となった。民進党公認候補の小林弘幸氏も、希望の公認を得て立候補する意向を示していたが、希望が井桁氏を擁立したため、立候補も難しいのではないかという見方も出始めた。自民党山梨県連関係者は「長崎氏が自民党の看板を掲げて選挙に臨めば、自民党が分裂しているように映り、井桁氏に有利になる」と懸念を強めている。