社説:幼稚園値上げ 誰のための無償化策か |
11/3(土) 13:56配信 、最終更新:11/3(土) 13:56 京都新聞 配信より
見切り発車した子育て施策の不備が早くも露呈した形だ。来年10月の消費税率引き上げに合わせ、政府が実施する幼児教育・保育の無償化である。全国の私立幼稚園のおよそ4割が、来年度から保育料を値上げすることが共同通信の調査で分かった。無償化を見越した「便乗値上げ」とみられるケースが含まれている。保育料は国が負担するため、保護者の理解を得やすい、というのが理由のようだ。背景には、少子化などで幼稚園経営が厳しさを増していることがある。半数近くの園は職員の給与引き上げなど「保育の質向上のため」と答えている。一方で、保育料を国が補助する上限額まで引き上げるなど不自然な例もある。値上げは、国の財政負担で事業者の利益を賄うことを意味する。便乗値上げは納税者の理解を得られまい。問題なのは、真に必要な値上げなのか判断する仕組みがないことだ。政府は5月、無償化の基本方針を公表した。だが制度の詳細はいまも固まっていない。通園送迎費や給食費など、どこまでが無償化の対象費目となるかについては自治体や幼稚園関係者に周知できていない。早急に手を打つべきだ。無償化は、安倍晋三首相が昨秋の衆院選で掲げた主要公約だ。消費税増税分は本来、借金返済や社会保障の財源に充てるはずだったのに一部を振り向けるとした。だが、十分検討せずに打ち出されたため認可外保育施設の扱いなどを巡り、制度設計は迷走した。練られた施策とは言いがたい。認可保育所や認定こども園は全額補助するのに対し、幼稚園や認可外施設は一部補助にとどまる。認可外の利用者は認可保育所を希望しながら落選し、やむを得ずに子どもを預けている保護者が多い。「不公平だ」との声が上がるのは当然だ。一律無償化ならば、誰もが公平に機会を保障しなければならない。高い保育料を支払う高所得世帯ほど恩恵を受けることになり、教育格差が拡大する恐れもある。保育需要の掘り起こしで待機児童が増えれば不公平が広がりかねない。こうした保護者の懸念に真摯(しんし)に向き合い、待機児童解消のための受け皿整備を急ぐべきではなかったか。幼保の無償化はいったい誰のための施策なのか。子育て制度のあるべき姿と併せ、国会で改めて議論する必要がある。(京都新聞 2018年11月03日掲載)
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私のコメント : 平成30年11月3日、来年10月の消費税率引き上げに合わせ、政府が実施する幼児教育・保育の無償化である。全国の私立幼稚園のおよそ4割が、来年度から保育料を値上げすることが共同通信の調査で分かった。
無償化を見越した「便乗値上げ」とみられるケースが含まれている。保育料は国が負担するため、保護者の理解を得やすい、というのが理由のようだ。背景には、幼稚園経営が厳しさを増していることがある。半数近くの園は職員の給与引き上げなどを「保育の質向上のため」と答えている。一方で、保育料を国が補助する上限額まで引き上げるなど不自然な例もある。
認可保育所や認定こども園は全額補助するのに対し、幼稚園や認可外施設は一部補助にとどまる。認可外の利用者は認可保育所を希望しながら落選し、やむを得ずに子どもを預けている保護者が多い。一律無償化ならば、誰もが公平に機会を保障しなければならない。十分検討せずに打ち出されたため認可外保育施設の扱いなどを巡り、制度設計は迷走。練られた施策とは言いがたい。
高い保育料を支払う世帯ほど恩恵を受けることになり、教育格差が拡大する恐れもある。保育需要の掘り起こしで待機児童が増えれば不公平が広がりかねない。






































