「竹島の日」で記念式典 |
松江市で22日に開かれた記念式典で、内閣府で領土問題を担当する安藤裕政務官は「我が国の立場について正確な理解が浸透していくよう、内外発信の一層の強化に努めていきたい」と述べました。
島根県は、明治時代に竹島を県の所管とした2月22日を条例で「竹島の日」と定め、毎年、県主催の式典を開いています。
式典が始まる前の正午ごろ、式典の会場の周辺には開催に抗議しようという韓国人のグループが訪れ、現場は一時騒然としました。
会場の島根県民会館から西に500メートルほど離れた路上で、韓国人の男性3人が抗議の声を上げるとともに「日本は歴史をねつ造している」などと書かれた紙を掲げました。
これに対し、やめさせようとするグループが近づいて、現場は一時騒然としました。
警察官が間に入ったため両者は接触せず、警察によりますと、けがをした人はいないということです。
島根県警察本部は式典の会場周辺を中心に、例年より多いおよそ800人の態勢で警備にあたりました。
そして、午後1時半から始まった14回目となる今年の式典には、島根県の溝口知事のほか地元・隠岐の島町の住民など、460人が出席しました。
今年の式典は、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題や「慰安婦問題は天皇陛下が謝罪すれば解決する」などという韓国国会議長の発言で日韓関係が悪化する中での開催となりました。
溝口知事は「最近の韓国側の動きを見ると、竹島の占拠を既成事実化しようとする動きを強めている。竹島問題の解決のためには日韓両国の政府レベルでの話し合いが不可欠で、政府には外交交渉の場で竹島問題が話し合われるよう引き続き強く求める」と述べました。
これに対し、安藤政務官は「竹島問題が国家の根幹に関わる課題であることは明白だ。我が国の立場について正確な理解が浸透していくよう、これまで以上に地元と連携し、内外発信の一層の強化に努めていきたい」と述べ、引き続き問題の解決に取り組む考えを強調しました。
そのうえで「これまでも取り組んできたように、我が国の立場をきちんと主張をして、これからも粘り強く平和的な解決を目指していく」と述べ、引き続き外交交渉によって領土問題の解決を図っていくという政府の立場を改めて示しました。
竹島がある隠岐の島町の池田高世偉町長は「政府には一刻も早く竹島の問題を解決してほしいが、昨今の日韓関係は一歩進んだかと思うと二歩、三歩下がるような印象を持っている」と述べました。
そのうえで「島民にとっては、昔のように排他的経済水域の中で漁をできるようになることが先決だ。両国が理解し合って、漁業という産業の中では共有していけたらと思う」と話していました。
式典に出席した松江市の70代の男性は「年々式典の規模が大きくなっていて、政府による竹島への関心は高まっていると感じます。両国の若い世代間での交流など、未来につながる友好事業を行うことが問題解決の一歩となるのではと思います」と話していました。
また、出雲市の70代の男性は「自分も漁師なので、他の漁師の困った姿を見て大変だと感じています。早く返還してもらいたいと思いますが、今の政治情勢では難しいだろうと感じています」と話していました。