
出陣式でマイクを握る北村経夫氏(中央)=山口市
自民党の林芳正元文部科学相の辞職に伴う参院山口選挙区補欠選挙(24日投開票)が7日、告示され、自民元職で元経済産業政務官の北村経夫(66)=公明推薦、共産新人で元県議の河合喜代(61)=社民支持、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」新人で元動画配信業のへずまりゅう(30)の3氏による選挙戦の火ぶたが切られた。
与野党とも次期衆院選(19日公示、31日投開票)の行方を占う試金石と位置付け、衆院選立候補予定者や党幹部が応援に入るなど、前哨戦が熱を帯びている。
北村氏は、山口市の維新百年記念公園で開いた出陣式で「新型コロナウイルスや中国の台頭など、この難局は自民党以外、乗り切ることはできない」と力を込め、支持を呼び掛けた。
衆参ともに選挙区の議席を自民が独占する全国有数の保守王国である山口県。
共産候補との事実上の一騎打ちで陣営がもくろむのは、衆院選へ弾みをつける圧勝劇だ。
北村氏は「来る衆院選直前の重要な選挙だ。圧倒的な勝利を目指す」と声を張り上げた。
出陣式には衆院山口3区の現職、河村建夫元官房長官と同区にくら替え出馬する林氏が顔をそろえ、マイクを握った。
同区は自民分裂選挙となることが決定的で、河村、林両氏は党公認をめぐり激しく争っている。
河村氏は「衆院選に向けての前哨戦で、自公政権の真価が問われる選挙だ」と強調。林氏は「26年間、私が守り続けてきた議席を(北村氏に)託すことができるのはありがたい」と語った。
県内4小選挙区のうち出馬予定者で出陣式に本人が出席したのは3区の両氏だけで、激しい選挙戦が予想される衆院選に向けてアピールしたい思惑が透ける。
一方、河合氏は同県宇部市で街頭演説し「医療逼迫(ひっぱく)が起こったのは長年の自公政治が医療も保健所も効率最優先で削減してきたからではないか」などと与党のコロナ対応を批判した。エネルギー政策の転換やジェンダー平等なども訴え「この補選に続く衆院選で野党を勝利させ、命を守るまっとうな政治を実現しよう」と呼びかけた。
街頭演説には小池晃・共産党書記局長が応援に駆け付けた。
小池氏は自民の幹事長人事や予算委員会を開かずに衆院を解散する国会対応など岸田文雄政権への批判を展開し、「自民党の中のたらい回しではなく政権交代が必要だ」と対決姿勢を鮮明にした。
当初、野党側は共産のほか立憲民主、社民両党、市民団体「市民連合@やまぐち」などが統一候補擁立を模索した。一時は地元選出の元衆院議員の名前も浮上したが、擁立には至らなかった。
独自候補を立て、共闘を呼び掛ける共産に対しても社民が支持するにとどまり、足並みの乱れも露呈した。
へずまりゅう氏は、本人が届け出を行い、県庁前に集まった報道陣の前で「俺が勝つ」と拳を上げた。 (小沢慶太)