「愚禿」と自称した親鸞 「南無阿弥陀仏」に込めた思いとは |
「愚禿」と自称した親鸞 「南無阿弥陀仏」に込めた思いとは
「愚禿」と自称した親鸞 「南無阿弥陀仏」に込めた思いとは:朝日新聞デジタル (asahi.com)
配信より
浄土真宗を開いた親鸞(しんらん)(1173~1262)の生涯と教えを、真宗10派の寺宝でたどる「親鸞―生涯と名宝」展が、3月25日から京都国立博物館(京都市東山区)で始まる。生誕850年を記念した過去最大規模の親鸞展で、生没地の京都に、国宝11件、重要文化財70件余りを含む計約180件を集めた。すべての人々が平等に救われる道を求め続けた姿が、絵巻物や自筆の書物から浮かんでくる。
本人は自身を語らず
親鸞は著作や手紙を多数残して教えを伝えたが、自身についてほとんど記していない。その生涯を伝えるのは、曽孫の覚如(かくにょ)が、三十三回忌の翌年に完成させた絵巻物「親鸞伝絵(でんね)」だ。親鸞の死後に生まれた覚如は、伝絵を制作するために各地の門弟を訪ねたという。今展で修理後初公開となる東本願寺の「本願寺聖人伝絵(康永本)」(国重文)はその最終版。浄土真宗では、伝絵の詞書(ことばがき)の部分を「御伝鈔(ごでんしょう)」として独立させ、絵の部分を多くの人が見られる掛け軸の「御絵伝」にして、絵の前で宗祖の生涯を語り継いできた。
親鸞は激動の時代に生まれた。干ばつによる飢饉(ききん)や、源平争乱といった戦争が起き、国土も人心も荒れ果てていた。京都の下級貴族の長男だったが、9歳(数え年)で出家、天台宗の僧侶になった。だが、29歳で下山してしまう。
20年を捨てて、比叡山を下りる
大谷大学の草野顕之(けんし)名誉教授(日本仏教史)は「当時の比叡山では、高級貴族の息子が出家すれば高級僧侶に。救いにも俗世と同じヒエラルキーがあった。下山は、20年修行しても人々が平等に救済されて浄土に往生するという道が見えてこなかったからだろう」と話す。
親鸞が新たな師と仰(あお)いだのが法然(1133~1212)だった。比叡山とは距離を置き、「南無阿弥陀仏」と唱えることで救われるという「専修念仏(せんじゅねんぶつ)」を説いていた。草野名誉教授は「念仏自体はどこの宗派でもやっていた。だが、法然はお金をかけて仏像を作ったり、戒律を厳しく守り、修行に耐えたりするのではなく、誰もがひとしく唱えられる念仏だけが救済の道だと説いた。親鸞が求めていた教えだった」と話す。
親鸞は入門4年で、法然に高弟として認められた。だが、2年後に専修念仏は禁止され、法然は四国に、親鸞は越後(新潟)へと流罪になった。
自筆「教行信証」に推敲の跡
流罪が解かれ、間もなく法然が亡くなると、親鸞は京都に戻らず、常陸(ひたち)(茨城)で布教に励んだ。そのころ書かれた「顕浄土真実教行証文類(教行信証(きょうぎょうしんしょう))」も今展の目玉だ。親鸞が信仰を体系化した主著で、浄土真宗の根本聖典。唯一の自筆・坂東本(国宝)、弟子が写した西本願寺本と高田本(いずれも重文)という鎌倉時代の三つが初めて集結する。親鸞は晩年まで改訂を重ね、坂東本ではその跡も見ることができる。
常陸での布教は約20年に及び、故郷の京都に戻ったのは、60歳のころだった。「親鸞聖人影像(安城御影副本)」(国宝、西本願寺蔵)は、80代に描かれた肖像画の写しで、親鸞の容貌(ようぼう)を今に伝える。気難しい表情が印象的だ。
往生が定まるのはいつか
今展を担当した京都国立博物館の上杉智英(ともふさ)研究員は「自らを『愚禿(ぐとく)』と称し、そんな自分がそのままで救われるという他力の教えに出会った親鸞の生涯や、悩みに向かい合った結晶である親鸞の言葉に触れるご縁になれば」と話す。
浄土真宗は2024年に立教開宗800年を迎える。「信心の定まるとき往生また定まるなり」と親鸞は説いた。その教えは、今も多くの人々の心を捉えている。(西田健作)
真宗教団連合の10派 ※カッコ内は本山
浄土真宗本願寺派(京都・西本願寺)
真宗大谷派(京都・東本願寺)
真宗高田派(三重・専修寺)
真宗佛光寺派(京都・佛光寺)
真宗興正派(京都・興正寺)
真宗木辺派(滋賀・錦織寺)
真宗出雲路派(福井・毫攝寺)
真宗誠照寺派(福井・誠照寺)
真宗三門徒派(福井・専照寺)
真宗山元派(福井・證誠寺)
「親鸞―生涯と名宝」展
◇3月25日[土]~5月21日[日]、京都国立博物館(京都市東山区)。午前9時~午後5時30分(入館は閉館の30分前まで)。月曜休館。前期展示は4月23日[日]まで、後期展示は同25日[火]から。一部の作品は前期・後期の途中で展示替えあり
◇前売り一般1600円(当日1800円)、大学生1千円(同1200円)、高校生500円(同700円)。前売り券は展覧会公式サイト(https://shinran850.jp
)や主要プレイガイドなどで3月24日[金]まで販売。問い合わせは同館テレホンサービス(075・525・2473)
主催 京都国立博物館、朝日新聞社、NHK京都放送局、NHKエンタープライズ近畿
特別協力 真宗教団連合
協賛 DNP大日本印刷、京都女子大学
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私のコメント : 令和5年3月7日、京都 興正寺との仏縁も、当家にあるため、よって、真宗興正派 本山 総務部 職員と私は、対談した。
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